たぴおかのぶろぐ

NEWSファンによるブログです。超絶私的ですがあしからず。

『世界』について

『世界』

「この手の情けない生き様を握りしめ」から始まるこの曲は、発売から約一年半ごしにやっと、私の心に響く曲になった。

 

発売当初は正直この曲の意味が解らず、でも大好きなシゲの曲だからなんとか解りたいという思いで何度も聴き直した。「誰にも託せぬ夢」って何?「刃を抱く」ってどういう事?他にも「吐き出した息」「手に入れたかった視界の色彩」もういろんな歌詞の部分部分が引っかかってしまって、正直歌を聞いていたというよりは、歌詞を必死に追う感じでCDを何度もリピートしていた。

そんな私もあれから自分なりに人生の山みたいなものを乗り越えて、そして今また自分的には新たな山場にいて、それでやっと『世界』の意味がわかったような気がしている。今、『世界』は他のどの曲よりも、私の心に響く曲だ。

 

さて、ここから少し、筆者である私自身の話をしようと思う。私は最近上京して一人暮らしを始めた。私には小さい頃からずっと変わっていない「夢」があって、そのための大きな一歩を、この上京によって踏み出したと感じている。でも、やはり慣れない土地、親しい友達がいない中での新生活はやっぱり不安で孤独だ。さらに、元来考えすぎる性格の私は、一人の時間が増えたことにより、ますます色んなことに対して思い詰めるようになり、それはけっこうキツかった。そんな生活の中で疲れてしまって一日中ボーッとしたりしてしまうと、それにもさらに嫌悪感を抱く。何もしなかった、自分が今日一日何も進歩しなかったように思えて自分が情けなくなる。

「それなら一層、もう夢のことなんか考えずに、今を楽しく生きてみようか」なんてたまに思ったりするけど、でもやっぱり私にはどうしても叶えたい「夢」があって、その夢を手放す勇気すらない。だからまた、周囲にわざとらしく「夢」を掲げてみたりして、なんとか自分を奮い立たせようとする。「もう少しがんばれ」と。

 

こんな風な私の今の心情が、『世界』の一番の歌詞にとてもリンクしているように感じた。シゲは『世界』発売当初、「これは僕の歌でもあるし、あなたの歌でもある」と言っていた。

ああ、きっとシゲも今の私みたいな状況を何度も何度も乗り越えて、それで今のシゲになったんだろうな。そう思うだけでなんだか気持ちが楽になって、ちょっと元気が湧いてくる。

 

それにしても、自分の経験を歌にして届ける。そしてそれを「あなたの歌にしてほしい」って、加藤さんは本当にアイドルとして行き過ぎなぐらい誠実だ。今悩んでいる人の状況を、それを乗り越えた自分の経験に投影させてあげるって、苦しかったり、辛い思いをしたりしている人にとっての、一番救われる向き合い方だと思う。自分が辛かった経験を思い出して噛み砕くって本当にエネルギーのいることだと思うし、日常生活で近い人が悩んでいる時にさえ、みんなが必ずしもそういう風に向き合ってあげられるわけじゃないと思うから。加藤さんには本当に、「誠実」という言葉が一番似合う。

 

私は明日もきっと『世界』を聴きながら、「私が大好きなアイドルが加藤さんでよかったな」と心の中で呟いてる。